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第34回中国ブロック理学療法士学会開催にあたり
学会長より皆様にご挨拶申し上げます

小川 昌(おがわ あつし) 第34回中国ブロック理学療法士学会 学会長
医療法人かつべ整形外科医院

新たな形式での開催に向けて:思考を止めないために私たちがすべきこと

 新型コロナウィルス(COVID-19)は生活、仕事、趣味、スポーツ、あらゆる事象を変えてしまいました。私たちにとって当たり前であったことが、当たり前ではなくなってしまいました。もちろん、事象が変わるだけでなく思考や概念も変えざるを得なくなってしまいました。

 私たちがこれまで準備を進めてきたこの学会も予定通りの開催とはなりませんでした。中止にするべきなのか、延期として良いのか。どうすべきか。私たちは議論を重ね、1回目の緊急事態宣言が発令された2020年5月、学会を1年延期をするという決断をしました。私たちの決断は、あくまでも「学会を開催する」ことにこだわりたいという意思表示でした。延期は決してマイナスではなく、新たな創造を生むプラスの時間として捉えました。1年という時間をどう使って、どのように付加価値を加えられるか、このことを考え続けました。そして、「あくまでも対面での学会開催にこだわりたい」、それが私たちの本心でした。しかし、状況は劇的な好転とはなりません。多くの方々が集う学会という場。私たちの想いだけでは前に進めない現状がありました。私たちは考えました。まさに今、問うべきは何か。交流をすること、議論をすること、未来を志向すること、希望を紡ぐこと。。。それは対面でなければならないわけではなく、オンラインという形でも可能であり、オンラインで対面に近い形を作ることこそが私たちがすべきことであろう、そう考えました。

 今回、私たちはオンラインでの分散開催という形式をとりました。2021年7月17日より9月26日までの約2か月間、学会を開催します。講演、分科会を分散させ、1日に一つのコンテンツを配置し、その日だけでなく、この期間内でさまざまな議論を継続させる、そういうスタイルとしました。オンラインの良い面を余すところなく活用し、多くの議論、そして交流を巻き起こしたいと考えます。当初より決定していた各講演などはプラン通りに開催いたします。私たちの想いに講師の先生方はご賛同下さり、共にこの難局を乗り越え、中国ブロックの理学療法士の学びを支援してくださいます。本当にありがたく思います。

 私たちは今、まさにこの時代を生きる中で、今だからこそできること、やらなければならないこと、向き合うことを真摯に考え、新たな創造を生むことにチャレンジしたいと思います。私たちが描く未来がきっと素晴らしいものになるために、希望を紡いでいけるように、この学会が今を生きる私たちの糧となるよう、準備を進めて参ります。どうぞ多くの皆様のご参加をお待ちしております。

2021.2.1 第34回中国ブロック理学療法士学会
学会長 小川昌

学会長挨拶(HP公開時掲載文章)

 この度、第34回中国ブロック理学療法士学会を2021年9月25日(土)~26日(日)の2日間、くにびきメッセ(島根県立産業交流会館:島根県松江市)にて開催する運びとなりました。

 本学会は、中国地方(広島・岡山・山口・鳥取・島根)の理学療法士が集い、理学療法に関する臨床、研究および教育について議論を重ね、情報を発信しております。加えて、多くの市民の方々に広く理学療法を認知していただき、国民の健康福祉に寄与することも大きな目的としております。

 本邦において「理学療法士」が誕生してから早や50年が過ぎ、有資格者数は10万人を超えております。この間、私たちの活躍すべき職域は拡大の一途を辿りました。病院(医療)での業務だけでなく、介護(福祉)、行政(保健)領域や、研究活動そして教育の現場と多種多様な場で理学療法士は活動しております。年月が過ぎること、人員が増えること、職域が拡大することは当然、質の向上に繋がらなければなりません。それは私たちが知らなければならないこと、学ばなければならないことが医療の枠を超え、時代に即した、社会全体としての視点が求められていることを表しています。そのためには、私たちが相対していく方々の人生、未来を支援するために私たちが現状に満足せず、向上を目指すべく活動を行うことが重要であると考えます。知らなければならないこと、学ばなければならないことが多くなるということは私たちがこれまで以上に研鑽していく必要があります。それは決して簡単ではなく、苦しみ踠いていきながらも前に進むこととなります。私たちが希望を持ち未来志向で前に進むことが今まさに求められています。

 今回の学会のメインテーマは「希望を紡ぎ出す~未来志向で語る私たちの理学療法~」です。私たち理学療法士の活動が関わる方々の希望となり、未来に繋がっていくものとなることはもちろん、私たち理学療法士が自分の仕事に誇りを持ち、希望を抱きながら進んでいくことができる。そんな未来を構築していくための足がかりとなる学会にしたいと考えております。

 本学会では特別講演(一般公開講座)、教育講演、分科会、そして演題発表を企画しております。それぞれの企画がメインテーマに基づいたものとし、学会全体が「希望」を語り、「未来」を「志向(思考)」できるものとなるようにと考えております。
 特別講演(一般公開講座)では「希望」をさまざまな観点からご研究されておられる玄田有史先生(東京大学社会科学研究所 所長)にご講演いただきます。理学療法、リハビリテーション、医療という枠組みだけでなく、地域や社会といった観点も含め「希望」についてお話いただきます。
 教育講演では生野公貴先生(西大和リハビリテーション病院 リハビリテーション部 技師長)に電気刺激療法についてご講演ならびに実技のデモンストレーションを行っていただきます。
 そして分科会①では「小児」領域の理学療法について、浅野大喜先生(日本バプテスト病院 リハビリテーション科 室長)、武田真樹先生(別府発達医療センター リハビリテーション課 課長補佐)、藤本智久先生(姫路赤十字病院 リハビリテーション技術第一課長)の3名にご講演ならびにシンポジウムを行っていただき、分科会②では「痛み」に関する理学療法について、西上智彦先生(県立広島大学 保健福祉学部 理学療法学科 教授)、萬福允博先生(乳腺ケア泉州クリニック リハビリテーション科 科長)、壬生彰先生(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部 理学療法学科 助教)の3名にご講演ならびにシンポジウムを行っていただきます。

 私たちが紡ぎ出す希望は未来を創造するものとなると確信しております。本学会において多くの学び、そして議論によって未来志向の理学療法を創り上げていきたいと考えております。多数のご参加、演題エントリーを学会関係者一同、心からお待ちしております。